学校の木工室にある自動鉋盤、授業でも使うので年に一度は刃を研いで交換したいところ。
昨年度は替えなかったので、今年は交換しようとしていたが、交換の際に刃の位置決めをする治具が見つからなかった。
数年で教師が入れ替わる学校ではよくあることなんだけれど、整備用の治具はどこかに行ってしまうことが多い。
以前の先生に聞いてもわからなかったので、3Dプリンタで自作することにした。
鉋胴の直径90mm。左側写真の中心に治具が固定される。ネジはM8だったので、買ってくる。
一回では位置合わせが難しいので、90mmの弧に合わせて、一旦位置決め用の試作を製作する。
これで、刃に対して同じM8ボルトでストッパーを作るように軸の位置を考えた。
M8のネジ山を作るのは難しいのと、遊びやガタが出ても困るので、中にナットを仕組むよう大きさを測る。
左側は鉋胴に固定するためのネジ、右側のは、側面にナットを埋め込む穴の位置。
1つあたり4時間くらいでプリントした。今回は内部のプラスチック充填率を上げて歪みが出ないようにした。
取り付けたところ。ストッパー用のボルトは内部と上部に2つのナットがあるため一度位置決めすると動かない。現在の刃の位置で固定する。
左右とも位置を決めたら、刃を外す。
刃を入れ替えて、治具を再び取り付けることで刃の位置は同じになる。
この位置で固定用ボルトを締め付けて固定、さらに治具を外して一番外の固定用ボルトを固定する。
もちろん、締め付けは左右から対照的に締めて均等になるように。
今回の刃の交換セット、今度はわかるようにして引き継いでいきたいところ。
ちなみに、刃は付いている物を含めて3セットあった。今回外した物を業者に研ぎに出す。
さらっとできたようだけれど、実は3回ほど失敗した。右側は最初の位置決め用試作。
それで、左側のタイプを作った。1つのデザインで左右に使えるようにするつもりだったが、固定用のボルトの軸が鉋胴の中心にむいていなくて取り付けられなかった。
これらを経て、今回の流れで作り上げることができた。
それでも、いくら設計出来てもこんな加工は3Dプリンタでなければできないので、ほんとに自分の中ではものづくりの革命と言って良い感じがする。