先ほどは,若竹祭の反省ご苦労様でした。ここまで自分が南箕輪中学校の2年生として学習してきたことや,学級・学年・クラブ活動などの集団で活動してきたことを発表する場として,自分を見つめ直す機会でもあったと思います。一年後になる次回は,3年生として最後の若竹祭になるわけです。今回の反省をその時期にはもう一度確認し,私たちの学年のカラーを活かしながら集大成と言える若竹祭にしたいものです。
さて,衣替えも終えて10月となりました。一年間のちょうど真ん中であるのと同時に,中学校生活のちょうど真ん中でもあります。私は何度か話したつもりでいますが,中学生というのは,その人の生き方のあり方が決まる時期だと思います。私自身もふりかえってみると,中学生の時に持っていた人や物に対しての考え方が今も変わらず私の行動の根底にあります。 中学校の半ば過ぎと言うことは,小学校で言えば1・2・3年生の低学年から,4年生にあがって高学年に変わる瞬間に当たるときです。いままでは先輩の姿に引っ張られて行ってきた学校生活を,自分たちが引っ張っていく側に変わっていくときである大きなターニングポイントであると言えるでしょう。実際に生徒会選挙も始まりますし,部活動では文化系でも新しい部長がきまり,2年生が引っ張っていく側になってきています。
私たちの生活は毎日が連続しているので,成長も連続してアナログ的な変化をしているわけではありますが,実は中学校に入学したときとか,学年が変わったときと言うような自分が意識を持ったとき,ディジタル的にがらっと変わることも大きいものです。どうかみなさんには,中学校の後半に入った意識をここで改めて持ってもらい,自分がこれからの生きていく方針を見つけていく気持ちで,生活を見直してもらいたいと思います。もっと踏み込んで言えば,中学生の半ばを過ぎたこの時期は,子どもの行動や考え方から,大人の行動や考え方に変えていく時期であると考えています。 たとえば,みなさんも大人なのにそんなことをしては変だという行動があるでしょう。授業中に机に落書きをしてみたり,全体に向けて話をしている人がいるのに隣の人と別の話をしてみたりするようなことです。子どもだったら能力的にも仕方がないかもしれないけれど,大人としてはありえないことがたくさんあります。そんな行動面が大人にシフトしている人も多くいますが,まだまだの人も多く見受けられるので,この機会を大切に捉えて自分を変えていってほしいと思います。
今日はもう少し時間をいただいて,私が考える「生き方探し」について話しをさせてもらいたいと思います。今年度は総合でも「ぼくの私の生き方探し」ということで,職業について考えたり,今日の後半からは先人が残したものを読んで人が生きる上で大切にすることを考えていったりしていきます。
私が昔から考えているのは,「自分は死ぬときにどんなことを考えながら死んでいくのがいいのだろう」ということです。なんだか,これから大人としての人生が始まるばかりというみなさんに,死ぬときの話しというのも変に思うかもしれませんが,まあ,聴いてください。 「死ぬときにどう考えるか」いろいろ考えてみたのですが,それはやはり,普段の生活の一瞬一瞬がつのったものになるのかなということに落ち着いています。 たとえば,普段のお掃除だとか,何か面倒だったり,大変だったりする仕事を考えてみてください。うまくやれば何か理由をつけて,先生や友だちに怒られることもなく仕事をせずに過ごすことも可能だと思います。これは,大人になって職業についてもそうです。「自分は今この仕事が入っているから」とか,「こんな理由があるからそれは自分じゃない方がいい」とか,うまい理由をつけてやらずにすむこともできるものです。そのときの自分が考えるのは「やった,自分はうまいことこの仕事をせずに楽ができたぞ,ラッキー」ということ何ではないでしょうか。それは一瞬のことですが,おそらくそういう生き方はずっと続くので,年をとっていっても,「今日は楽ができたぞ,ラッキーだったな」という喜びを持って生きていくことになるでしょう。そうすると死ぬときには,「ああ,俺の人生はいつも面倒なことからうまく逃げることができて,楽ができていい人生だったなぁ」に,なるでしょうか。
ちょうど昨日は自分のクラスで,進路クラブの学習をしたとき,職業に求めるものは何なのか,お金が儲かることが大切なのか,社会性が大切なのか,個人の思いが大切なのかというような設問があったのですが,それもここに通じるのかもしれません。 さて,私ごとで恐縮なのですが,みなさんの前に自分をさらすことも多い私をみて,私が死ぬときにどういう思いでいるつもりで生きているのかということについて,どう感じていてくれるでしょうか。私は,「やらないですむことをやったかもしれないし,面倒なことに巻き込まれてしまったこともあったかもしれないけれど,自分に嘘はつかず,充実した人生だったなぁ」と思いながら死んでいきたいと思っています。 自分のことを語ってすみません。聴いてくれてありがとう。
でも,みなさんもどうか後半に入ったこのときを中学生,そして人生の大きなターニングポイントとしてかんがえ,自分の生き方をみつめながら成長していってほしいと思います。
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