実際に大きな被害を受けた人のみならず,私たちが暮らす日本にとって大きな試練となった未曾有の大震災。私たちは今,この大きな波を経験することになりました。大切な財産を失ったり,自分の命を失ったりした方々は大きな悲しみの中に包まれていることを考えると哀悼の気持ちでいっぱいになります。この南箕輪に暮らす限り,いまのところ大きな苦労を感じていないわけですが,これから君たちがつくっていく将来には大きな傷跡が残っていると思います。 そんな情勢の中,皆さんの中学校1年生としての生活が終わろうとしています。4月に入学し,あっという間の出来事だったような気もしますが,入学当時の皆さんの姿を写真などを通してふりかえってみると,ずいぶん顔つきが変わったなぁとしみじみ思います。もちろん,見た目の違いだけではなく,1年間の学習による能力の進歩,様々な行事を通しての企画力・テーマを設定して実行する力,友だちと協力し仕上げていく力,人前にでて表現する力など,さまざまな力がついてきています。今更ながらに,君たちの成長には驚かされます。 これで一年間が終わるわけですが,それは決して自分一人で育ってきたのではなく,南箕輪中学校を設置して運営している南箕輪村,あたたかい目で見守ってくださっている地域の方々,南中の数多い先生方,一緒に過ごしてきた仲間たち,そして君たちのことを一番心配してくれている保護者の方々のおかげです。口に出せるものも出せないものもあるでしょうが,感謝の心を持って,この一年間の終了を祝ってほしいと思います。 以前,学年集会の中で「ドッグイヤーまっただ中の皆さん,貴重な今の時間を大切に過ごそう」,「おじさんの夏は毎年同じだけれど,中学1年生の夏は二度とやってこない」というお話をさせていただきました。今,ここでふりかえってみると,あの言葉はちょっと違っていたかな,と思います。以下の訂正をさせていただき,皆さんへの最後のメッセージとします。 「おじさんにとっても,君たちと過ごしたこの時は二度と繰り返すことはできない。私にとっても,みなさんと過ごしたこの一年間の時は大変貴重なものとなりました。君たちと一緒に平成22年度を過ごすことができて幸せでした。貴重な一年間をありがとう」 平成23年3月16日 平成22年度南箕輪中学校1学年主任
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