基礎講座用サンプル(Tパズル)の製作 |
いよいよ今年の研修講座がスタートする時期になり、最初の講座は技術の先生になって数年向けの方々を主な対象とした基礎講座。
材料加工の講座なので、基本的な機械の使い方・安全、工具の使い方などを扱う。
今年は、最近題材として取り扱う機会の多い、「Tパズル」を取り上げることにした。
元になる材料は 一寸(3cm)厚のスギ材。幅120mm、長さ3m。このままだと長いので、半分にしてから使う。
基準面を出すために手押しかんな盤を使う。危険な機械でもあるので大事に扱いたい。材を押すジグも講座で製作する。
パズルにするには、材が厚いので帯鋸で半分に割る。この帯鋸は現場にはなかなか置いていないなぁ。
ちなみに動輪の直径が600mm以上のものは生徒には使わせられない。
割ったもう一つを手押しにかける。薄いので押すジグは必須。もちろん手押しは生徒には使わせられない。
その後、厚さをそろえるために自動かんな盤を使う。これは、学校でも使う。
昨年夏、センターで行われた研修会で、教科の調査官に「なぜ自動かんなを今でも生徒に使わせるのか?」と聞かれて、ちょっと戸惑ってしまったのが悔しい思い出。
かんながけくらい、手工具と機械との違いの多い物は無いと思う。あの繊細な作業が、機械だと騒音の中一瞬で終わる。
テクノロジーの評価を考えさせるのには最適じゃないかと考えている。
でも、実際に現場で使っている先生は少なくなってきているかと思う。
ちなみに、長さ300mm、厚さ5mm以内の材料は生徒に削らせることはできない。
以前作ったのは25mm幅だが、今回は45mm幅にしてみる。これなら生徒の題材にもなるかな。
留め定規で45°をけがいて切断。
今回は、あえて切りしろをとらずに現物あわせで切断。その代わり、のこぎりのあさりを意識して左側の刃がけがき線を半分にするイメージで切る。
切り落として残った方の材料を再び等倍の設計図に合わせてけがき線を入れる。
この部分は、Tパズルでは一番難しいところ。途中で止めて90°のくぼみに切断。
内側だけはサンドペーパー(マジックサンダー)でやすりがけ。そのほかはベルトサンダーで。
型紙にばっちり合えば完成。うまくいくまで何度かリトライすればよいので、生徒の目標も定まりやすいのではないかな。
45°の留めを2度切断。90°の横断を2回とくぼみを1回切れば完成。
今回は10mm厚にしたが、もう少し厚くても存在感があっていいかな。
実際に自分が生徒にさせるなら、理論の学習をしてから横びき(横断)を何度か練習させて、うまくなったらパズルへ進む(測って45°の切断へ)という流れかな。最初の横引きは長い材の間ならうまく切れると切断面を下にしてまっすぐ立つというのがわかりやすいかも。もちろん測定具(さしがねやスコヤ)の使い方も並行して教えるのですが。
教師の方は、前半の機械加工でたくさん材料を作っておくと言うことですね。(自分なら、最後の厚み調整だけ残して自動かんなを使わせる。)
当日は、これだけじゃ簡単なので、このパズルを入れるケースを作ることにしようと思う。