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回路設計に論理回路を加えたら(pic128)

30年度に関東ブロックの技術・家庭科研究大会が長野県で開催される。
自分の所属する上伊那郡は「エネルギー変換に関する技術」の授業公開をすることになっている。
新しい指導要領が公開された後になるので、どんな授業にしていくのかみんなで悩んでいるところ。
現在のところ回路設計の部分を取り扱おうと考えているが、なかなか具体的には決められない。
キーワードは、県の研究テーマ「共に拓く技術・家庭科」なのだけれど、基本的には
・「主体的、対話的で深い学び」
・チームで協働して最適解を求めていく。
・生活の中から課題を見付けて、技術で解決する。
という新しい指導要領の方向に合わせたものがそれに当たると考えている。

地域の研究会の中で、先生方の考えを聞いて自分なりに教材として進めてみた。
勤労感謝の日に一日かけてプロトタイプを作って見た。

ココナッツの基盤を使って、入力と出力を選択して回路をつくる物を考えてみた。

前回の研究会で出てきた案として、「自分の課題を解決するために様々なセンサーやエネルギー変換技術を使って回路をつくる」
と言うのがあって、業者の教材をいくつか見たのだけれど、センサーの数やそれぞれのアッセンブリーの値段差などが課題だと思われた。
どうせセンサーの回路はブラックボックスになるので、素子の接続部分にデジタル回路を使ってブラックボックスにしてはどうかというのが自分の考え。
ココナッツの基板を使えば、かなり簡単にできると考えて作ったのが上の回路、センサーと出力はブレッドボードに接続して実験することにした。

用意したセンサー、秋月電子のセンサーで使えそうなものを買い込んでみた。左から
●タッチセンサー(2.2MΩ抵抗)
●傾きセンサー
●リードスイッチ(磁石によってオンオフ
●サーミスタ(温度センサー)
●切り替えスイッチ
●押しボタンスイッチ(タクトスイッチ>ブレッドボード上)
●ディテクタスイッチ(リミットスイッチに使う物、木につけて接触や、上に載せた物がなくなると動作)
●光センサー(CDS)
●赤外線センサー(リモコンの検出)
●人感センサー

用意したエネルギー変換素子(出力)
●モータ
●振動モータ(携帯電話などのブルブル震える素子)
●豆電球
●LED各種(超高輝度照明用、各色の信号用)

もう一つ、考え方として導入したいアイディアは、論理回路。入力センサーを2つにすることで、様々な場合が考えられる。
一番単純なスイッチの場合で考えて、検出プログラムを書いてみる。


xとyが2つの入力ポートの値を表している。2つのスイッチは1kΩの抵抗でプルアップしてあり、スイッチを入れるとプルダウンする。
データの値としては、オフで255、ONで0が出ることになる。
この2つの動作から論理回路を組むことができる。


基本的には
●OR  : 論理和 : どちらかのスイッチが押されれば出力 
●AND : 論理積 : 両方押されれば出力
の2つになろうか、暗いときに人が通るとランプが付くなどはAND回路になる

さらに
●NOR : 否定論理和 : どちらかのスイッチが押されれば停止
●NAND : 否定論理積 : 両方押されれば停止
●XOR : 排他的論理和 : 両方のスイッチが同じならば停止
●NOT : 否定論理 :: 両方のスイッチが違う位置なら出力
などがあるけれど、まあどこまで使うかは分からないが、2つの入力によってさまざまな場合分けができる。

この教材ならば、一人あたり2つのセンサーを選んでもそれほど値段がかからないし、ありがたいことに、どれを選んでも値段は近い。
(ほぼ素子だけを取り替えるだけで、後はソフトウェアでなんとかする)
加えて、売っているエネルギー変換機器ではここまで細かな場合分けはできないので生徒が考えて自分の生活を改善するために設計する価値もある。

ただ、センサーによってブラックボックスの部分のプログラムは書き換える必要がある。
明日からは、それぞれのパーツによるプログラムを作ってストックしていき、生徒は場合分けしたプログラム(番号や記号で選ぶというのがよいだろう)をただ流し込めば動作するようにしてみたい。

小学校からプログラミング教育が始まるので、エネルギー変換の回路設計でもセンサーの選択だけでなく、論理の選択が入っても良いのではないかと考えての物だけれどどうでしょうか?

今日は一日センサーをブレッドボード上に接続できるように試行錯誤しながら加工して終わってしまった。



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